今、再び「デザイン」を語っておきたい。それは、私的表現性への耽溺でもなく、資本主義の端末機能として先鋭化される目論みでもない。ただひとつの構造を語ること。ふたつの事象「私」と「世界」の間に継続する「生活」という構造を語ることである。それは抽象化されない思考の周縁に生起する事柄にデザイン方法論としての普遍性を垣間見ること。その視座が「テクスト インフォメーション」である。 テクストインフォメーションとは 武蔵野美術大学基礎デザイン学科3年次のデザイン演習科目の名称である。この演習は「街」を読むことを目的としている。テクスト論が捉える対象を「文章」から「街」へと拡張して環境の本質を理解する調査とそこから導かれる表現の演習。様々な要素によって織りなされたひとつのテクストとして街を捉え、その環境を語る言葉の構造を見つけ出し、再びその言葉によって街を記述する。それは都市計画や建築、設備等の予め設計さ