テキストの情報量は圧倒的に少ない。だからこそ本を読むということは、イメージを自由に組み立てられる醍醐味がある。反面一定の集中力を要し、私たちは読書をするあいだその行為に束縛されることになる。 電子書籍の場合、テキスト以外の要素を加えることが可能だ。そのひとつとして朗読や読み上げなど、BGMも含めた音的要素との組み合わせが期待されてきた。音楽ダウンロードやポッドキャスティングの急速な普及を背景に、PC向けにはすでに朗読機能付き作品や「オーディオブック」の配信が開始され、ケータイ読書の世界でも2005年末ごろから朗読コンテンツが出現しはじめてきている。 au公式サイト内にあるパブリッシングリンク運営の「タイムブックタウン」では、2006年4月より、人気作家によるオリジナル書き下ろし作品の著者朗読版の配信を開始した。現在のところはまだ3点。デビュー作『池袋ウエストゲートパーク』以降ファン層を広げ