山梨県では甲府盆地の低湿部を中心に日本住血吸虫病の有病地で、特に近代以降には流行し「地方病」と呼ばれた。江戸時代から存在は知られていたが、明治期には県による医学的な原因調査が行われ、死亡患者の病理解剖で寄生虫卵が発見されると原因は新種の寄生虫であるとする仮説が立てられた。大正期には宮入慶之助により日本住血吸虫の中間宿主が巻貝の一種であるミヤイリガイ(宮入貝)であると突き止め、大規模なミヤイリガイの駆除が行われて撲滅される。 八丈小島はマレー糸状虫症(島民からは「バク」と恐れられた)の有病地であったが、佐々学のフィールドワークから始まる治療により撲滅された。 和歌山県の紀南地方では、かつて水が原因で発生するとされる風土病(筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはアミトロ)、現地では地名から「牟婁病」(むろびょう)とも称する)が発生していた。多雨で強い酸性土壌、この地域を流れる水(古座川など)のミネラ