このマンガ好きだったらこの小説読んでみなよー。この小説が面白いんなら、このマンガ、絶対おすすめ。そんなふうにおもしろい本の世界を倍々でひろげていきます。第31回は、ダメ・スパイラルで奈落の底へとまっしぐら! なマンガと小説を! 映画『Buffalo'66』の中に、ヴィンセント・ギャロ演ずる主人公のビリーがデニーズの洗面台に向かって「もう、生きられない……」とさめざめ泣くシーンがあります。 たしかにこのビリー、人生に絶望するのも無理はない、とびっきりのダメ人間であります。 物語は、刑期を終えたビリーが刑務所から出てくるところから始まります。ビリーが服役する羽目になったのは、莫大な借金を清算するために他人の罪を被ったから。悪事を働いたわけではありません。出所後、ビリーは故郷であるバッファローに帰ろうとしますが、実家の両親に5年の空白期間の説明ができません。母親と電話してるうち、つい勢いで「