4月の週末。都内の雑居ビルの会議室に数十人の個人投資家が集まり、講師の話に真剣に聞き入った。席を立つ人はおらず、終了後も物件選びなどに関する質疑応答が延々と続いた。 不動産投資に関心を寄せる個人が増えている。ただ、一部には不動産特有の仕組みやリスクについて十分な知識を持たないまま、投資に踏み切る個人もおり、専門家からは懸念する声も出ている(表A)。 ■入居者獲得争う その一つが利回りだ。値上がり益狙いで投資した1980年代と違い、最近は家賃収入をベースにした利回りで投資するのが主流。投資用物件のパンフレットなどには、年間の家賃収入を購入価格で割った「表面利回り」が表示されている(図B)。