乃木坂46には、加入以前に芸能活動の経験があったメンバーも少なくない。そして、その中で最も輝かしい実績を持っていた者のひとりが衛藤美彩である。しかし、そういったメンバーの多くがそうであったように、衛藤の乃木坂46における活動は“上り坂”とは言い難いものであった。むしろ、同学年にあたる白石麻衣ら他の92年組の華々しい活躍ぶりを思えば、衛藤は最も大きな挫折を味わった者でもあるだろう。 しかし、どんな困難に直面しても、衛藤の瞳の輝きが消えることは無かった。 当初、同じくアンダーとして活躍するメンバーのほとんどが衛藤より年下の者ばかりで、半ば必然的に「お姉さん」としてアンダーを支え、牽引する役割を帯びた。今でこそ、この時期に苦楽をともにしてきたメンバーがアンダーライブで頼もしい程の活躍を見せているが、当時の、今より若く、幼いメンバーたちの中でこの役割を担うことができたのは衛藤以外にはいなかっただろ