原油相場が急落している。NYMEX原油先物相場は、6月13日の1バレル=107.68ドルをピークに、11月4日の取引では一時75.84ドルまで値位置を切り下げている。これは、2011年10月4日以来の安値となる。 既に直近高値から30%近い急落相場になっている訳だが、10月以降の急ピッチな下げ相場に関しては、サウジアラビアの産油政策の影響を指摘せざるを得ない。 原油需給バランスには当然に歪みが生じる訳だが、伝統的には「スウィング・プロデューサー(生産調整国)」と称されるサウジの産油量調整によって、過度の歪みは阻止されてきた。原油供給不足が深刻化すればサウジが増産に踏み切り、逆に供給過剰が深刻化すればサウジが減産に踏み切ることで、少なくとも需給要因から原油価格が急騰・急落することは回避しようとする努力が継続されてきた。 少し前では、2012年後半にシェール革命が石油分野に本格波及し始めた際に