杉原教授は3月に明治大を定年退職するに当たり、12日に最終講座を行った。10年間の錯視研究で、「タネ明かしをしても脳は錯覚を修正できないこと」と「両目で見ても錯覚は起こる場合があること」に衝撃を受け、その上で1つの疑問が浮かんだと話す。 「非直角を直角に見せる」新たな立体トリックを考案 ペンローズの四角形に見える立体を作ったのは、杉原教授が初めてではない。従来も、実際にはつながっていない四角柱をつながっているように見せかける「不連続のトリック」や、四角柱を曲げてつながった立体を作る「曲面のトリック」といった立体化があったが、杉原教授は「直角に見えるところに直角以外の角度を使う」という方法を取った。 非直角のアプローチでは、四角柱は曲がらず、不連続にもならない。
![四角が丸に、魚が蝶に──“不可能立体”研究10年、杉原教授が導き出した「錯視の方程式」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ca4be5749b692dc9e995aa73c624fa98e4581dde/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimage.itmedia.co.jp%2Fnews%2Farticles%2F1903%2F13%2Fcover_news109.jpg)