商売繁盛などの御利益があるとされる伏見稲荷大社(京都市伏見区)近くの人里で今年2月、大社の眷族(けんぞく)(従者)であるキツネの巣穴が見つかった。 鉄道や高速道が交差し、人の往来も激しい伏見区の平地で巣穴が見つかるのは極めて珍しく、近所の人たちは「景気回復の使者だろうか」と不思議がっている。 巣穴は、国土交通省淀川河川事務所職員が、同大社の南約4キロの堤防の斜面で5つ見つけた。昨秋頃、子育てで転々と使ったらしく、大きなもので直径30センチ、深さ1・8メートル。同事務所によると、巣穴が周辺で見つかった例は近年ないという。 かいわいでキツネと初めて出会ったという70歳代の農業男性は「畑に足跡があり、昨年11月頃、朝夕に数回、歩く姿を遠目に見た」と証言。昨夏、近くの河川敷にある動物生態調査の無人カメラにも姿が映っていた。だが、巣穴の発見後、独特の臭気のフンだけを残して気配を消しており、住民らは静