全国で社会実装に向けた実証実験が相次いでいる自動運転バス。茨城県境町は人口約2万4000人の小さな町ながら、2020年11月に自動運転バスを実用化、定常運転を開始した。自動運転バスは、高齢化が進む地方の交通弱者を救済するために有効な手段として期待が高まっている。導入から1年を経て、何が見えてきたのか。実際に乗ってみた印象も含めてリポートする。 「町民みんなで大きなペットを飼っているようなもの」――。境町の橋本正裕町長は2020年に実用化を開始した自動運転バスについて、こう表現する。この言葉にはいくつかの意味が含まれている。その存在が町民から愛されて可愛がられていることや、まるで生き物のように手が掛かり、それを町民がみんなで支える気持ちが必要という意味もある。東京・上野動物園のパンダのように、地域の活性化や市民プライドの形成に一役買っているという面もある。 境町に導入されている自動運転バス「
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