<名言1> 自分が自分を信じてなかったら、誰が自分を信じるんだ? (イビチャ・オシム/Number631号 2005年6月30日発売) ◇解説◇ 2022年、81年の生涯を閉じたイビチャ・オシム。指導者として日本代表、Jリーグともに大いなる愛情をもって仕事にいそしんだのは周知のとおりだ。その慈愛は日本を離れてからも続いた。 オシムは旧知の取材者であるライター田村修一氏らを通して、Numberに対して数々の言葉を日本サッカーのために残してくれた。その最後の肉声となったのは、この世から去る1カ月前のことだった。 「実はあまりよくない。うまく歩けないからだ。膝が悪くて……、以前のように歩くことができない。手術が必要と言われているが……。膝と靭帯の手術だ。もしも靭帯が完全に破損したら、歩行が不可能になるし何もできなくなる」 当時、オシムは自身の状態について正直にこう語っていた。心身ともに非常に厳し