WBC準決勝メキシコ戦は、窮地に追い詰められた末の劇的なサヨナラ勝ち。ローンデポ・パーク(マイアミ)のフィールドをまるで高校球児のように飛び跳ねる侍ジャパンの選手たちを半ば信じがたい気持ちで眺めていると、隣の30歳くらいのメキシコ人ファンが悔しさに顔を歪めながらも、「フェリシタシオーネス」(おめでとう)と言って握手を求めてきた。 この試合には日本からもかなりのファンが駆けつけてきており、メキシコ人のファンと写真を撮ったりハグをしたりして交歓する光景があちこちで見られた。日本にとっては会心の逆転勝利だが、メキシコにとっては悲劇としか言いようのない敗戦。にもかかわらず、メキシコ人たちは心優しく、潔かった。