自衛隊でセクハラを訴えた女性が、意に反する形で加害男性と面会をさせられた際の音声記録を入手しました。加害者を励ますような上司の言葉。密室のやりとりからハラスメント問題が相次ぐ自衛隊の実態に迫ります。 記事の後半では、面会で実際にやりとりした音声を公開しています。 ◇ 西日本の地方の街に暮らす20代の女性は、ゆううつな気分で2022年の師走を迎えていた。 職場で受けてきたセクハラのせいだった。女性は海上自衛官として自衛隊施設に勤めていた。 この年、自衛隊はハラスメントの問題に揺れていた。陸自で深刻な性加害が発覚し、約25万の全隊員を対象にハラスメントの実態を調べる「特別防衛監察」が行われ、岸田文雄首相は「性暴力を含むハラスメントは自衛隊の精強性を揺るがす決して許されない行為だ」と国会で力説した。 女性の心を壊すようなできごとは、そんな時期に起きた。 12月21日は、寒さの厳しい日だった。 倉