WBC侍ジャパンで投手コーチとして世界一を経験し、千葉ロッテの監督を務める吉井理人氏(58)。ダルビッシュ有や佐々木朗希、大谷翔平といった才能を見つめてきた中で、どうすれば相手のモチベーションを高め、能力を引き出し、高い成果を挙げ、メンバーを成長させることができるのか――その考えをまとめた著書『最高のコーチは、教えない。』(ディスカヴァー)より書籍を一部転載します(全3回の2回目/#1、#3も) 〈「振り返り」で課題設定の正しさを常に検証する〉 課題設定のやり方を身につけさせる目的で実施していたのは、試合後の「振り返り」である。自分のプレーを自分で振り返ることで、選手たちにいろいろなことに気づいてほしいからだ。最終的には、考えることなく身体が勝手に動くようになってほしい。 その前段階としては、どうしてそのプレーになったのかを自分で分析できるようになっておかなければならない。まずは、身体が勝