気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 東京国立博物館の在職中に独立行政法人化という重大な試練に直面した。この時にアメリカの美術館で学んだ経験がよみがえってきた。わたしは独立行政法人に移行する最大の目的は博物館の活性化であると考えている。経営の効率化だけがやかましく言われるが、本当の目的は、博物館を市民にとって親しみのある場に変えることだと思っている。かねがね「博物館は客商売の一つだ」と思っていたので、この機会にそれを実現してみようと真剣に考えた。 ついでに言っておくと、最近、大学が学生を「お客様」と言っている。これは大間違いだと思う。社会に入る前にせいぜい羽を伸ばしておこうという学生ばかりならば、「お客様」扱いも許されるかもしれない。一度、就職氷河期があったことを経験している大学