レガシー(2)「お客様は神様です」は本当か? 本連載においては、サービス業の業界内で長期にわたって蓄積された、根深い思い込みを「レガシー」と言い、これらの思い込みから脱却した事業に焦点をあてることで、サービス業の変革へのヒントを見出すことを目的としている。 第1回で9つのレガシーを示したが、それぞれは複雑に関連しあっている。1つの事例が複数のレガシーを打破する一方で、他のレガシーを抱え込むこともあるだろう。だが、各レガシーを乗り越えた事例をもとにして、国内サービス事業へ思いを馳せ、サービス事業活性化のために、さらなる議論を重ねていきたい。 これまでの連載第2回、第3回、第4回では、 レガシー(1)「サービス業ではブランド化や差別化が難しい」を脱却した事例を紹介した。形をなさないサービス業は、特殊な高級ビジネスを除いて、ブランド化しにくい。また、真似が簡単、違いを示すことは困難なので差別化し