20世紀最初の年、1901年(明治34年)お正月の「報知新聞」(現「読売新聞」)に、百年後の科学の進歩を予測した「二十世紀の預言」という特集記事が掲載された。当時のジャーナリストが描いた未来像を検証してみると、その多くが見事に的中しており、今更ながら彼らの想像力には驚かされる。 では、21世紀を生きる私たちは、50年先、100年先の未来図を思い描くことができるのだろうか。21世紀の予言は至難の業である。人間の想像力を超えるスピードで、科学技術が進展しているためだ。現実社会のパラダイムに縛られていると、科学技術、あるいは人間の進化の可能性に向き合うことすらできなくなる。でも未来は否応なしにやってくる。 中嶋謙互氏は、現実の自然環境をシミュレートする人工世界の開発を行っている。科学技術の現実を受け入れるリアリストであると同時にビジョナリーでもある。中嶋氏と一緒に想像力の限界を超えて、来るべき未