南日本で今年、女性が性的暴行を受け、けがをした事件で、検察側が被害者の意向に沿い、裁判員裁判の対象となる強姦(ごうかん)致傷罪でなく、裁判官だけで審理される強姦罪で容疑者を起訴していたことが、被害者側関係者の話で分かった。昨年8月には別の強姦致傷事件で、被害者側が裁判員裁判で審理されるのを避けるため示談に応じ、容疑者が起訴猶予処分になっていたことも判明。専門家からは性犯罪を裁判員制度の対象から外すべきだとの指摘も出ている。 性犯罪被害者が裁判員に被害などを知られるのに不安を訴え、容疑者がより軽い罪で起訴されたケースが明らかになるのは初めて。 法定刑に死刑か無期懲役がある罪は裁判員裁判の対象となる。強姦致傷罪は「無期または5年以上の懲役」だが、強姦罪は「3年以上の有期懲役」で対象にならない。 被害者の相談を受けた弁護士らによると、強姦罪での起訴となった事件では、女性が顔見知りの男に暴行