山梨学院大附(山梨)の初出場初優勝で幕を閉じた第88回全国高校サッカー選手権大会。総じて見れば、この大会はまさに「本命なき戦い」であった。 どの新聞や記事にも書かれているのが、選手権で5大会連続初優勝校が誕生し、今大会はベスト4の段階ですべてのチームに選手権優勝経験がなく、青森山田(青森)以外はベスト4も初めてだったこと。つまり、いかに地域格差がなくなっているか、ということである。 確かにJユースの誕生と発展により、高校の部活に優秀な選手が昔ほど集まって来なくなった。そこで、高校側や指導者が創意工夫し、環境の整備や交流を増やしたことで、高校レベルでの地域格差がなくなりつつあるのは確かだ。 今大会をもう少し別の角度から見てみると、今大会は「波乱の少ない大会」だったと言える。国見(長崎)、帝京(東京B)、東福岡(福岡)など名門校が1、2回戦で負け、世間では波乱として報じられた。だが、実は