この記事は『彼岸花の咲く夜に 第一夜』を全面的にネタばれします。ご注意を。 彼岸花に登場するオカルト描写は現実に起こった出来事に対する「後付け」であり、それによって世界が二重化されているという解釈のもとに各話を読解します。前提となる発想については第一夜感想の三章目、「オカルト描写は後付け、という読解」あたりをどうぞ。 今回の記事の大雑把な焦点は、「現実には何が起こっていたのか」と「オカルトによって何が意味づけられたのか」の二つ。考察記事といっても「オカルトが後付けされたことにどんな意味/効果があるのか」を読み解くのが目的なので、伏線を拾って「真相を推理する」類のものではないことをご理解ください*1。仮説を前提とした深読みはするけれど、作者の意図そのものは問題としない、というスタンスということでひとつ。 おさらいと整理 竜騎士さん作品における「魔法」=「オカルト」の存在意義は、事実に反する物