菅原孝標女が『源氏物語』に夢中だった少女時代を振り返って書いた『更級日記』。半ばオタク女子でもある菅原孝標女の一生を、現代のオタク女子の行動と合わせて解説します。 「物語の世界に憧れる、可憐な少女時代を書き綴ったもの」として知られる『更級日記』。作者の菅原孝標女すがわらのたかすえのむすめが13歳のときからほぼ40年間にもわたる日々のことを綴った回想記には、『源氏物語』への強い憧れが記されています。 出典:http://amzn.asia/4Bhh3nP そう聞くと「なるほど、源氏物語に憧れた、可愛い女の子の日記なんだな」と思うかもしれません。しかし、平たく言えば菅原孝標女は平安時代のオタク。「源氏物語尊い……」と静かに感動する彼女の姿は、「このキャラ尊い……」、「いや待って無理」と好きな作品を前にただただ語彙力を失うオタク女子とほぼ同じです。いわば、オタク女子ならば共感してしまう行動の数々
本日のポストでは、あからさまには聞いてこないが、皆随分関心があるんだろうな、と感じるお金のことについて書いてみたい。 わかりやすくいうと、私がこの4年間、どのようにお金をやりくりしたのか、ということ。依頼された仕事の報酬について、どんなことを考えてきたかということ。 在野研究者を決意したときに立てた目標 前任校の契約が切れ、在野でやっていこうと考えたとき、私は次のような目標を立てた。 「研究者以外の仕事をせず、これまでと同じだけ稼ぐ」 (とはいえ、前任校で得ていた年収は、話すとびっくりされるほど低かったことは添えておきたい。) 別の仕事を持ちながら、在野の研究者として活動する人は何人もいる。家庭の状況などで、稼ぐことをそんなに考えなくていい人もいる。まず言っておきたいのは、私の目標は、そういう人たちのやり方の否定の上には立っていないということだ。ここは強調しておきたい。 その上で、であるが
「昭和は自由、令和は窮屈、窮屈なのはコンプライアンスのせい」は本当か? 『不適切にもほどがある!』の社会学 はじめに テレビドラマ『不適切にもほどがある!』が話題だ。昭和の時代の1986年から令和の時代の現在にタイムスリップしてきた主人公をめぐり、とりわけテレビ業界でのさまざまなやりとりを軸に、二つの時代を対比させながら進行していくこのドラマでは、「粗雑だけれど自由な昭和」と、「コンプライアンスに縛られ、正しいことをやっているけれど窮屈な令和」という対極的なイメージが示される。 「昭和は自由、令和は窮屈、窮屈なのはコンプライアンスのせい」というこうした構図は、しかし正しいものなのだろうか。そもそも昭和の社会と令和の社会は、どちらがどのように自由で、どちらがどのように窮屈なのだろうか。 こうした点をめぐってSNSなどでは議論が沸騰している。そこではコンプライアンスの鬱陶しさにうんざりし、昭和
現在の日本には難民申請中・退去手続き中(仮放免)のクルド人が数千人はいて、埼玉県川口市を中心に居住しており、社会問題になっている。昨年7月4日のクルド人同士の乱闘事件からの騒動による病院の緊急搬送受け入れ停止で、全国的に注目されることになった。 日本の難民申請の基準は厳しく、今までクルド人も1万人ほど申請して1名しか許可されていないが、行政は申請を棄却しても強制退去を執行しない*1一方、施設不足から収容もしないためだ*2。出身国での身の危険を感じて難民申請している人々が自発的に帰るわけがなく、現在に至る。 1. SNSで騒がれている問題は起きていない 在日クルド人集団による治安の悪化を吹聴している人々もいるのだが、根拠に欠ける。在日クルド人集団は、今のところ他の在日外国人の集団と比較して大きな問題を引き起こしていない。現状、統計上は目だって川口市の治安が悪化していたりはしない。ここ1年間の
民芸品の美を「発見」した柳宗悦は、「南無阿弥陀仏」という本を書いている。その中で「妙好人」という興味深い話が。何をされても「ありがたや」、意地悪されても「ありがたや」。その人のよさは飛び抜けていて、いつしか周囲も毒が抜かれていく。まるでトルストイの「イワンのばか」。 私はこの妙好人という、庶民でありながらちょっとした聖人めいた人間にどうやってなれるのだろう?と疑問を持っていた。そんな、何でもかんでも「ありがたや」と驚き、感謝するなんて、一体どういうこと?なんか気になりつつも、消化できずにいた。 そんな中、良寛さんのエピソードを読んだ。良寛さんの噂を聞いて面白くなかった船頭は、初めて良寛さんを船に乗せたとき、わざと水の中に落とした。袈裟が邪魔で溺れる良寛さん。もうダメだ、と思われたそのタイミングで、船頭は船に引き上げた。するとなんと良寛さん、「あなたは命の恩人です」。 船頭は戸惑った。自分が
世界で最も身体拘束が行われている日本の精神科病院。厚生労働省では現在、拘束要件の見直しが不透明なまま進むが、精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)はどうとらえているのか。「こちら特報部」の単独インタビューに応じた山崎氏の言葉を詳報する。(木原育子) やまざき・まなぶ 2010年から日本精神科病院協会会長。22年5月の厚労省の私的検討会に突如、参考人として出席し、議論の風向きを変えるなど影響力が大きい。18年には協会の機関誌に「(患者への対応のため)精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という部下の医師の発言を引用し、物議を醸した。安倍晋三元首相と親しかったことでも知られる。日本大医学部卒。
ほんの二年前くらい、「給料を上げることなんかできるはずがない」って批判してくる人、結構いた。 やればできるやんけ!とりあえず大企業だけとはいえ、かなりの会社が満額回答しとるやんか!下請けにも賃上げ原資となる購入額値上げを認めるよう、政府も働きかけてるやんか!やればできるやんか! 「この世は競争社会、これからますます厳しくなる」と散々脅して、「今の低賃金でも仕事があるだけマシ」と信じ込ませて、低賃金化を推し進めた竹中平蔵氏をはじめとする連中、何考えとってん!多くの人々を散々苦しめおって!なんで賃金下げてん!せんでええ苦労をさせおって! 今回の賃上げがうまくいったのは、「空気の変化」だと思う。賃金を上げるべきだ、という意見に対して当時の反論は「自分ところだけ上げて製品価格が上がったら他社に競争で負ける、むしろ賃下げして他社に負けないようにしなければならない、だから賃上げは不可能だ」というリクツ
まだ国民共通の理解が欠ける公的年金 ──日本の公的年金保険のこれまでと現状をどのように評価するか。 まず、公的年金という制度が何をやっているのかについて共通の理解が必要だ。 その年に生み出された付加価値(財・サービス)を、所得という形で、継続的に収入の途絶している人に渡して、彼らの財・サービス消費を支えるのが年金だ。年金受給者の財・サービスの取り分を増やすためには、同じ時間を生きるそれ以外の人たちの取り分を減らす必要がある。こうしたゼロ・サム問題を扱う領域は、経済学の中では、分配、再分配問題と呼ばれ、プラス・サムの関係を築く余地がある領域を生産問題と呼ぶ。 基礎年金の保険料拠出期間を40年から45年にするという制度改革案の話も、その年に生み出された付加価値のうち、基礎年金の取り分を40分の45(1.125倍)倍に増やすという分配の話だ。 いま現役期の人もいずれは高齢期に入り年金受給者になる
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く