「咳止めのテープ」の問題点 外来を受診する子どもの中で、背中にテープを貼っている人がいます(右写真)。保健センターで乳児健診を行なったり、学校健診をするときも必ず何人かこのテープを貼っている子を見つけます。たまたま見つかっただけでも、多くの子どもたちが貼っているわけですから、このテープを使っている人は膨大な数であろうと推測されます。 ところが、親御さんに話を聞くと、単に「咳が出るから貼っている。」という人が大部分です。本当にこの薬(テープですが、立派な薬です)のことを理解して使っておられるのでしょうか? 「咳止めのテープ」を多くの方が正確な知識のないままに子どもに使用しています。この状況は、今の小児医療の問題点をいくつか浮き彫りにするものです。 1、ホクナリンテープの薬理作用 ホクナリンという薬はメプチンやプリカニール、ベラチン、スピロペントなどといった薬と同じ仲間で、気管支や心臓にあるβ