今回も「ぼくは漫画大王」のネタバレが含まれるので、これから読もうという人はとばしてください。 前々回の記事で、帯にある内容紹介文の「ミステリーは第十二章から始まる。家出していた妻が自宅に戻ると、夫が殺され息子の健ちゃんは密室に閉じ込められていた……。」は間違いと書いたが、本文を読みなおしたところ、第二章で方志宏の息子が生まれたとき、方志宏が息子の名前を考え、「何があっても、この子の名前には絶対に『健』の字を入れるぞ。だってな……」といっているので、この紹介文も完全な間違いとはいえない。 とはいえ、本文を読んだかぎりでは実際に息子に「健」の付く名をつけたかどうかわからないし、本文中で息子を「健ちゃん」とは読んでいないので、やはりこの内容紹介文は適切ではないと言わざるをえない。 この「健ちゃん」(原文では阿健)が、小説のラストで方志宏と同一人物であることが明らかになるのだが、これが納得いかない