外国為替証拠金取引(FX)の公設市場「くりっく365」で異常な値動きがあった問題で、損失を被った個人投資家が、市場を運営する東京金融取引所に損害賠償を求めて提訴することになった。原告は約30人、請求額は数億円に上る見通し。公設市場の責任を投資家が集団訴訟で問うのは極めて異例だ。 異常な値動きは、昨年10月30日付の南アフリカ通貨ランドと円の売買であった。参加業者の独コメルツ銀行が、直前の相場と著しく離れた値段を提示したためだ。値動きが拡大したときに自動的に損切りをして取引を終わらせる「ロスカットルール」を適用された多くの投資家が、損失を抱えた。金融取は11月6日になって救済措置を発表したが、対象にならなかった一部投資家から不満が出ていた。 被害弁護団代表の荒井哲朗弁護士は「金融取引所には異常な値動きがあった場合、すぐに是正する義務があるはずなのに怠った」と主張。2月にも取引所を相手取っ