オペラシティ・アートギャラリーでプロジェクトN/山内崇嗣展を見た。この作家は変だ。まず混乱させられるのはその点数の多さだ。オペラシティ・アートギャラリーの長い廊下に沿って、61もの作品が一気に並んでいる。そのうちの数点はブランクになっている。展示されている絵画はほぼ全てキャンバスに油彩で描かれており、幅は多少のバリエーションがあるが高さは72.7cmで均一となっている。画題もサイズ+製作年月日の数値の羅列になっている。 作品の内容にアクセスするより先に、こういったフォーマットが感受されるのが今回の山内崇嗣展で、ほぼ等間隔で高さをそろえられたキャンバスがナンバリングだけでこの数提出されると、個別の作品を識別し、それぞれに「良い」「悪い」といった価値判断がなされなくなる。むろん作家はこのような事態に意識的なので、ここで求められているのは「善し悪し」ではない。言ってみれば「良い/悪い」といった絵