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長澤まさみ主演で放送中のドラマ『高校入試』で、はじめて脚本に挑戦している作家・湊かなえ。『往復書簡』(幻冬舎)に収められた「二十年後の宿題」は、現在公開中の映画『北のカナリアたち』の原案となっており、湊作品はテレビに映画と引っ張りだこ状態だ。 そんななか、10月31日に待望の新作『母性』(新潮社)が発売された。「これが書けたら、作家を辞めてもいい。その思いを込めて書き上げました」と述べるほどの自信作で、ある母娘の物語を軸に“母性”について真正面から向き合った大作である。しかし、湊といえばこれまでも、歪んだ母親の姿をたびたび描いてきたことはよく知られている通りだ。 たとえば、鮮烈なデビューを飾り、映画も大ヒットした『告白』(双葉社)では、息子を溺愛するあまり、冷静に現実を直視できない母親が登場。息子が事件を引き起こした当事者であることを伝えられても、「本当に事件に巻き込まれていたのであれば、
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