今日、勘三郎さんの葬儀が行われた。あの日からもう一週間。 でも、まだどこか遠い世界のことのような気がするときがある。 NHKで放送された追悼番組で三津五郎さんや渡辺えりさんが口々に仰った「まだ偲べない」「思い出とか語りたくない」という言葉や、椎名林檎さんの「亡くなったって信じてないからこうしてテレビでお答えできてる」という言葉に実感をもって頷くファンのかたも多いのではないだろうか。 自分がここに書き留めた舞台の感想を遡っていると、思っていたよりも多くの舞台を拝見していたんだなと改めて気がつかされる。おそらく、この10年間でもっとも舞台で拝見した方ではないだろうかとおもう。それはとりもなおさず歌舞伎の興行がそれだけ常に行われているからということだし、それだけ勘三郎さんが精力的に魅力ある舞台を作り続けてらっしゃったからということもあるだろう。 最初に拝見したのは野田さんと組んだ「研辰の討たれ」