複雑な事務処理を自動化し、ときに人間の代わりに意思決定を下してくれる情報システムのアルゴリズム。検索エンジンから電車の運行管理まで、今やアルゴリズムのお世話にならない日はない。 だが、そのアルゴリズムがときに思わぬ暴走を起こし、個人や社会に不利益を与えることがある。そんな二つの事例を紹介したい。 フリーソフトを1年半にわたりウイルス判定 一つは、あるPC向けフリーソフトが、トレンドマイクロのウイルス判定アルゴリズムから1年半にわたって危険なウイルスソフトとの「誤判定」を受けたものだ。 事の発端は2012年4月。「いじくるつくーる」「すっきり!! デフラグ」などのフリーソフトを個人で開発・公開していたINASOFT 矢吹拓也氏のメールアドレス宛てに、「ソフトをダウンロードしようとしたら、ダウンロード用URLがトレンドマイクロのセキュリティソフトにブロックされた」とのメールが立て続けに届いた。
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