【ワシントン=越前谷知子】米自治領プエルトリコは29日、「700億ドル(8兆6000億円)に上る負債を返済出来ない」と述べ、事実上のデフォルト(債務不履行)宣言をした。 米国の投資信託などには高金利の「プエルトリコ債」が含まれていることが多く、国際金融市場に深刻な影響を与える懸念がある。 負債残高は、2013年に財政破綻した米デトロイト市の180億ドルを大幅に上回る。同日公表された報告書によると、08年のリーマンショック前後から、石油高などで苦しみ、経済立て直しが進まない中で歳入の見通しが甘く、想定以上に財政赤字が増えたという。 アレハンドロ・ガルシア・パディヤ知事は「巨額に積み上がった負債を返済するために借金を続ければ、2025年には負債が2倍にふくれあがる」と述べた。今後は債権者との協議で数年間の支払い猶予を求める方針。民間主導の雇用創出などで経済再生を進め、財政改革については5年間を