とんでもない怒号を聞いたことがある。 スポーツ紙の駆け出し記者として中日を担当していたときのことだった。 たしかオープン戦、岐阜・多治見市営球場での試合だったと記憶する。中日が相手チームにリードを許して、試合終盤に差し掛かったときだった。取材のために一塁側のベンチ裏に行くと、その声が響き渡ってきた。 「オラッ、もっとインコースいかんか! 頭にいったれ!」 声の主は当時の中日監督だった星野仙一さんである。 聞き耳を立てていると、さらに言葉は過激になっていく。 「(頭に)いくぞ、いくぞ!」 「頭、かち割ったれ!」 そして投手はインコースの厳しいところにグイグイ投げ込んでいく。 こんな野次は令和の時代では完全にアウトだろう。 でも平成になったばかりで、まだまだ昭和の空気が残っていた当時は、ベンチからこんなえげつない野次が、平気で相手打者に飛んでいく時代だった。 村上への死球でヤクルト&DeNAベ
![村上宗隆が、”確信バット投げ”を辞めたのは”あの死球”から? 60本&三冠王に向けて必要な「打席で1本の線を引く」技術とは…(鷲田康)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7a83945691f5859184a227ea5c2b69f87bb88d67/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Fa%2F8%2F-%2Fimg_a8ff7560e68f9f1b404e84eb416020e7253890.jpg)