JR東海が計画するリニア中央新幹線計画の実現可能性を話し合う国土交通省の審議会は20日、東京―名古屋間をほぼ直線で結ぶルートが最も投資効果が高いとする試算を公表した。国が示した「未来予想」では日本の交通網の勢力図は一変。ルート問題は決着する見通しだが、課題はまだ多い。 試算は国土交通省が外部のシンクタンクに委託したもので、20日の同省交通政策審議会の中央新幹線小委員会(委員長・家田仁東大大学院教授)で公表された。 試算では直線ルートの費用対効果が、長野県などが求めている南アルプスを北に迂回(うかい)するルートを上回った。家田委員長は会見で「国民にとっていいのかを客観的にみる分析で、ルート選定に重要な参考になる」と試算結果を重視する姿勢を示した。 試算は2045年にリニアが直線ルートで全線開業し、東京―大阪間が67分で結ばれた場合、沿線地域の企業への経済効果を年間8700億円とみる。移