音楽や映画のネット配信もすっかり定着したが、一方でCDやBDといった既存パッケージメディアにも高音質化や高画質化といった新しい動きが出てきた。また、失われつつある過去の名演奏を復刻したり、アナログレコードのような懐かしいメディアに光をあてる試みも各所で行われている。AV評論家・麻倉怜士氏に、最近気になった動向をまとめて紹介してもらおう。 ――ネット配信がすっかり定着した感もありますが、パッケージメディア市場は縮小しているのでしょうか 麻倉氏: 世界的にパッケージメディアの需要が落ちているという話はありますが、こと日本市場においてはCDやBDも善戦しています。日本レコード協会が発表した2013年1~6月の累計生産データでは、CDなどを含むオーディオ/ビデオ合計では101%と微増でした。Blu-ray Discの音楽ビデオに限ると、前年同期比162%と伸張しています(→日本レコード協会の資料)