神奈川県の海上自衛隊厚木航空基地。空色に塗装された哨戒機「P-1」が飛び立ち、日本周辺海域をうかがう潜水艦や不審船などの警戒にあたる拠点だ。2月下旬、砂ぼこりの舞う駐機場ではP-1のほか、プロペラが特徴的な現主力の哨戒機「P-3C」の姿もあった。 2016年6月に防衛装備庁が公表した15年度の装備品契約額で、川崎重工業は2778億円と前年度に比べ約5割増えた。三菱重工業は1998億円と24%減り、1965年度から死守してきた首位の座を明け渡した。 逆転劇の主役となったのが川崎重工の手掛けたP-1だ。防衛省は2015年度、20機のP-1を7年間の長期契約によって一括調達することで、川崎重工や部品会社と合意。総額約3400億円の大型案件で、主担当企業である川崎重工の契約額を約2000億円押し上げた。 従来、財政法で長期契約の上限は5年とされてきた。だが防衛装備品は高額で生産に時間もかかる。より