高度経済成長期には「お家芸」とまで言われた造船業が苦境に喘いでいる。業界2位と5位の大型合併は、暗礁に乗り上げた。目も当てられない権力闘争の裏側には、企業経営の問題点が詰まっている。 なぜ情報が漏れるのか 創業100年を超える名門企業で起きた、前代未聞の社長解任劇—。川崎重工業の元常務、浅野雄一氏も驚きを隠せない。 「社長解任を知ったのは、その直前のことで、えらく驚きました。川崎重工には、巷間言われている派閥のようなものもないし、実際は温厚な企業体質なんですよ。長谷川社長も極めて真面目で、経営者としても立派な方です。 それがなぜ、あのような解任ということになってしまったのか、理解に苦しみますし、クーデターだとか、分裂などという報道を悲しく思います」 総合重機大手の川崎重工業は、6月13日の臨時取締役会で、長谷川聰社長(65歳)ら取締役3人を解任した。長谷川前社長らが推進した三井造船との経営
『川重・三井造船 統合交渉』(日経4月22日付朝刊、1面TOP)のスクープが6月13日、川崎重工業の長谷川聡社長(65)の解任に発展した。 東京証券取引所の情報開示ルールに従い、4月22日の朝、川崎重工業は「当社が発表したものではなく、そのような事実はありません」とコメントした。三井造船も「当社として発表したものではありません」とした。そして、川崎重工は長谷川社長を解任した6月13日に、「交渉の事実はあるが何も決まっていない」とコメントの内容を変更した上で、「本日の臨時取締役会で(交渉を)打ち切ることを決定しました」と発表した。 日経は6月14日付朝刊総合2面で『総会前、異例の造反劇 10対3で解任決定』と報じた。記事の末尾に、『情報開示姿勢に疑問の声』という一段の小さい見出しを立てて、「今回、川崎重工は統合交渉について『(交渉)事実はない』との4月22日付のコメントを「事実はある」と訂正
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