全日本空輸(ANA/NH)で多くの後進を育ててきた機長が、8月30日に定年退職でラストフライトを迎える。寺西一郎さん、1954年9月10日生まれの59歳。機長とコンビを組む副操縦士は、寺西一桂(いっけい)さん、1985年5月8日生まれの29歳。機長と副操縦士は親子だ。 ANAは8月28日、寺西機長の定年を祝う「親子ラストフライト」を実施した。30日までコンビを組み、日本中を飛び回る。 親子フライトに先立ち、寺西機長は息子と同じ職場になるときのことを振り返った。寺西副操縦士は当初、父にANAに入社することを間際まで伝えていなかったようで、父はパイロットが定期的に受診する身体検査の会場で、看護師から「息子さん、受験で来ましたよ」と伝えられたという。 父から息子には「とにかく安全運航を。体調を整えて、つねにベストコンディションで臨んでほしい」、息子から父には「副操縦士を経験して、安全で帰ってくる