三重県の地方紙「伊勢新聞」(津市)の嘱託記者をしている同県紀北町の北村博司町議(68)が、1日に開かれた同町議会で議長に選出された。 有識者からは「不偏不党でなければならない新聞記者の立場で、議長との兼務は問題」との指摘が出ている。 同町議会事務局などによると、北村町議は1975年に旧紀伊長島町議に初当選。99年まで町議を6期務める傍ら、1人で地域紙「紀州ジャーナル」を発行していたが、同紙の休刊後、伊勢新聞の嘱託記者になった。03年に再び同町議選で当選、05年からは同町と旧海山町が合併した紀北町議となり、06年も当選した。議長選では、欠席1人を除く町議19人の投票で16票を獲得した。 伊勢新聞社の岡原一寿報道部長は「本人から議長に選出される前日に休職の申し出があった。紀北町と町議会の取材活動は行わないこととし、引き続き嘱託記者を続けてもらうようお願いしている」と話している。 飯室勝彦・中京