近年、身近な夏鳥・ツバメが全国的に減っています。その背景には、餌場である水田や畑の減少、巣作りができる軒のある日本家屋の減少など、私たちの暮らしの変化が大きく作用しています。また、東日本大震災の津波による繁殖地の減少や、福島第一原子力発電所での放射性物質の漏出事故の影響も新たな懸念材料となっています。 震災から1年あまりが経過し、福島第一原子力発電所事故の警戒区域と避難指示区域が再編されたため、原発事故のツバメへの影響を探るために、原発事故被災地を5月に取材しました。 放棄水田(飯舘村):原発事故さえなければ田植え風景が見られていた水田。草地化した水田には、ツバメの巣材となる泥はない。飯舘村では水田も川も森も放射性物質に汚染された。 原発被災地におけるツバメの生息状況 南相馬市 地盤沈下(南相馬市):地盤沈下で沈んだ水田。今年の4月まで、放射性物質の影響で立ち入りができなかった南東部の地区