千葉県社会福祉事業団が運営する施設で11月、知的障害がある19歳の男性入所者が、職員に虐待を受けて死亡した事件が明るみに出た。さらに、暴行した職員が、その後の調査で増え続けるという異常事態に陥っている。社会福祉の現場は「低賃金、重労働」と言われ、退職者が後を絶たず、職場が荒廃しているとも指摘されてきた。そうした問題が未だ悪化の一途を辿っているのか。今後、「危険な施設」に入らずに済む見分け方はあるのか。社会福祉や介護の現場を歩いて、独自の調査を続ける東京財団の三原岳研究員に聞いた。(聞き手は金田信一郎) 社会福祉施設の現場は、労働時間が長くて不規則な割には、賃金が他の業種と比べても低いと言われます。こうした職場環境が、虐待につながっていると言われます。これは今も変わってない? 三原:離職率は、たぶん景気が上がってくると悪化する可能性がありますね。 介護保険に関しては「介護職員処遇改善交付金」