大分県別府市は、温泉資源に影響する大規模温泉利用発電所の新設を今後認めない方針を固めた。東日本大震災による福島第1原発事故後、自然エネルギーを使った発電が注目され、別府では温泉利用発電が相次いで計画されて源泉に影響しかねないとの懸念があるからだ。市は温泉利用発電所設置に関する条例を2015年度中に制定する考えだ。 【原発廃炉】米国で相次ぐ 安いシェールの火力拡大 別府市で計画中の温泉利用発電のほとんどは「地熱バイナリー」と呼ばれる方式。低い温度で沸騰する液体を温泉の熱で蒸気にし、タービンを回して発電する。 別府市の2013年の温泉湧出(ゆうしゅつ)量は毎分8万2032リットルで、全国の市町村でトップ。しかし、10年前の03年の毎分9万5330リットルより減ったうえ、源泉数も03年の2841から13年は2293と減少した。 大分県は減少の原因を科学的に分析しておらず「資源枯渇」につなが