前回は,五感のうち味覚を再現するセンサの開発状況を追った。今回は,古くから開発が進んできた音声認識技術の最新成果を解説する。音声認識を幅広い用途で実用化に供するカギを握る,音源分離技術などを取り上げる。連載の目次はこちら。(本記事は,『日経エレクトロニクス』,2008年2月25日号,pp.75-78から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります) 今から数年前。米Microsoft Corp.が「Windows Vista」の発売に先駆けてアナリスト向けに新OSの音声認識機能を公開実演した時に,この「事件」は起こった注9)。実演者は,「ねえママ」という音声を認識させて,テキストを表示させようとした。ところが,「ねえ叔母さん」と表示された。実演者が口頭で指示して修正を試みた末,以下のようなその場にふさわしくない一文が現れた。「Dear aunt, let’s
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