姜 克實先生は尊敬している思想史研究者です。特に石橋湛山研究では毎回示唆を得ることが大きいのです。今回の『週刊東洋経済』の論説「紛糾する対中関係どう構築し直すか」も勉強になります。 尖閣諸島問題で最大の問題は、それが「国民感情の対立、ナショナリズム合戦に拡大したこと」と姜 克實先生は指摘します。そして湛山が生きていれば、1)国民にナショナリズムの自粛を呼びかけ、2)相手の懐に飛び込んで誠意を持って誤解の解消に努める、3)国際社会の正常運営のため、まず自国の欲望を抑制する、などを主張すると述べています。おそらくそうでしょおう。 ナショナリズムは自国本位の教育の産物であり、国境・民族が存在するときにこれを教育で抑制するのは不可能だろう。となると国際間のナショナリズムの対立を避け、できるだけ外交問題は外交の場で解決し、国民の感情に任せないことである、と姜 克實先生は指摘しています。 しかし問題の