いつでもどこでも必要な情報を簡単に入手できる環境を作る――。 日本食研ホールディングスがナレッジ(知識)の“クラウド化”を進めている。 まず着手したのは経営会議から紙をなくすこと。クラウド型情報配信サービスを使って実現した。 最終的には営業担当者2000人のナレッジ共有を目指す。 2011年7月下旬、愛媛県今治市にある日本食研ホールディングスの本社会議室に、グループ各社の役員/執行役員20人ほどが全国から参集した。この日は2カ月に一度開催する経営会議の日。直近の経営状況や今後の計画などを記した資料を基に、グループの経営戦略を決める大事な場だ。 だがコの字形に並んだ机の上に、紙の資料は見あたらない。その代わり、各人の前には米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」が置いてある。 正面のスクリーンに映るプレゼンテーションのページを議案の説明者が先に進める。すると役員たちも手元のiPa