細い9本の針を刺す「はんこ注射」と呼ばれるBCGワクチン接種について、誤って皮下注射し、発熱やじんましん、血尿などの健康被害が出ていたことを厚生労働省が10日、明らかにした。BCGは0歳児が対象の結核予防ワクチンだが、新型コロナウイルス感染症を予防しようと接種を受けた成人だった。乳児向けの在庫が不足しており、製造元は目的外の使用を見合わせるよう医師らに求めている。 BCGは本来、腕に塗ったBCG溶液のうち、細い針でわずかな量だけ体内に入れる。説明文書には「絶対に注射してはならない」と記載されている。同省によると、4月初め、BCG溶液を成人に全量注射し、間もなく発熱などがあり救急外来を受診したという。もともとBCGを扱っていない医療機関だったため、誤った可能性がある。