IT(情報技術)業界で「クラウドコンピューティング」という新たなパソコン(PC)の利用形態が急速に進んでいる。さまざまなソフトウエアをインターネット経由で利用するもので、ソフトを買わずに済むためコスト削減につながるのが特徴。個人や企業のほか、中央省庁など公的機関でも導入が進んでおり、にわかにブームの様相を呈している。 クラウドに明確な定義はないが、PCでネットにアクセスし、ネット上に用意されたソフトの中から必要なソフトを必要なときだけ利用するというのがおおまかな概念だ。平成18年に米検索大手グーグルのエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)がネット空間を「雲(クラウド)」に見立てて表現したことが始まりとされる。 個人向けのクラウドサービスで知られるのが、グーグルの電子メールサービス「Gメール」。従来、電子メールを利用するには米マイクロソフトの「アウトルックエクスプレス」など、メール送受