私自身も、ある広告が炎上したとき、SNSの投稿を興味深く追いかけていたら、数時間ほどコピーが書けなくなってしまった経験がある。批判の言葉でパンパンになった脳は、アイデアを出せなくなってしまうことを知った。ジェンダー炎上ときちんと向き合わず、「最近みんなうるさいよね」と流してしまうクリエーターが多いのは、ある種の防衛本能かもしれない。 かといって制作者以外の人間がチェックをするのも、簡単ではない。大勢の人間が関わり、アイデアを積み上げ、作り上げたものに対して「これはマズイですよ」と言うのは勇気がいる。マズイと思うあなたの感覚は正しいんですか? と、針のむしろになるかもしれない。 女性でさえ判断が難しい また最近の炎上広告は、「女性でも判断が難しい」と思うものもある。 資生堂「インテグレート」(2016年)のCMは、女友達に「(25歳になったら)ちやほやされない」「カワイイという武器はもはやこ