「あなたのそれって発作みたいなものなの?」 「時報みたいなものだと思うよ。カン!」 「第一、あの殺しても死なない姉妹がそんなに心配なわけ?」 「・・・こんなこと、慣れてないからね。」 「5日でこうだったら、あんたが死ぬときなんて大変だな。それだ、ポン。」 「まあ、死んじゃった後はどうしようもないわよ・・・誰でもね。」 「だから生きている間、頑張るのよね。リーチ!!」 「つくづく人間って儚いよね。チー。」 「まあ、そこがいいって言う奴もいるけどねぇ。」
「らんさま、ただいまー!」 だが、出迎えた藍の、橙を見る様子が、どこかおかしい 藍は、面識の無い余所者へ向けるような冷たい目で、橙を睨んでいる 「……たかが二尾が、何故私の名を知っている?」 「………え?」 「それにお前、ここが大妖・八雲紫様の御住まいと判っていて踏み込んでいるのか?」 「え…あの…らんさま、何を、言ってるの…? どうしちゃったの…?」 藍は式神として、紫に記憶を初期化され、橙の事を忘れていた。 放心し、ふらふらと屋敷を出る橙。そこに姿を現した紫が、能面の様な無表情にで、言葉を告げた。 藍の『式を操る訓練』が終了した、という事。 藍の式操術の経験と感覚だけを残し、演算装置にとって余計なモノである記憶容量は、全て削除した事。 補助演算装置として、あなたよりも優秀で、霊格の高い子も見つかった事。 だから、もう、あなたは必要無いという事。 だから、今まで、あなたに八雲の姓を与えな
「みぃー みぃー」 「うふ、うふふふ、猫魔理沙は本当に可愛いわねぇ」 昼下がりの神社。 暖かな陽射しの当たる縁側に、霊夢、パチュリー、アリスの三人が身を寄せ合うようにして腰掛けていた。 中央に座る霊夢の膝の上には、子猫程のサイズになった魔理沙が体を丸めて乗っている。 頭には黒猫の耳が、尻からは尻尾が生えていた。 膝上の猫魔理沙を撫でる霊夢の眉は垂れ下がっており、顔はにやけた笑顔で緩みきっている。 その様子を、アリスとパチュリーは左右から熱っぽい目で覗き込んでいた。 生粋の魔女二人が一致団結して猫変化の薬を精製。 標的の親友の巫女がその薬をお茶に混ぜれば計画は成就。 だぼだぼの服の中から、生まれたままの姿の小さな魔理沙をつまみ上げ、 アリスが作った人形サイズの服を着せれば、 愛らしい猫魔理沙の完成である。
主の健在不在に関わらず、紅魔の図書館は在り続けている。 黴と埃の匂い。薄暗い闇。耳鳴りがするほどの静寂。 何一つ変わらない――わけではない。 アリスは本棚から一冊抜き出し、メイド長に開いて見せた。 魔法の知識がなくとも、子供でもわかる変化である。咲夜は眉根に皺を寄せた。 黄ばんだ頁のあちこちに、小さな穴が空いていた。読むのに差し支えがあるほどではないが、見苦しい。 そしておそらく、放置していれば見苦しいで済まないものとなるだろう。 「パチュリーはこの場にいるだけで、本の保存魔法を意識もせずに使い続けていたみたいね。大したものだけれど、保存魔法が 切れたとたんこれよ。このまま進めばどうなるかわかるでしょう?」 「このまま朽ち果てた方がいいんじゃないかしら」 「魔法使いじゃなくてマジシャンのあんたはそれでいいでしょうけど、私にとってここがなくなるのは結構な痛手なの。そこで 維持し続けるために、
「で、その手紙には何て書いてあるの?」 レミリアが手紙を持った咲夜に尋ねる 咲夜が手紙の文章を読み上げる 『そちらの妹君は、我々永遠亭が預かった。返して欲しくば、製作中のロケットを中止せよ。こちらの本懐を遂げられることを期待する なお妹君を預かった証拠としてこの箱を一緒に送る。返事はこちらが指定した場所に持ってくること』 その後の文章に返事の方法についてのこと細かな内容が記載されていた どうやら直接会わずに手紙のやりとりで連絡を取り合いたいらしい それを聞いたレミリアはこめかみに青筋を浮かべる 「あいつらが?そういえば月と何か関わりがあるみたいなこと言ってたわね。フランをさらうなんて、命知らずもいいところね・・・・」 「外に出してやるって言われたらホイホイ付いていきそうね、教育不足よレミィ?」 ロケット製作を一任されているパチュリーが言う 彼女もレミリアも中止にする気などさらさら無い
博麗霊夢は紅魔館に訪れた それを出迎える紅魔館の主 「あら、霊夢いらっしゃい。来てくれてうれしいわ。調度良い紅茶と美味しいケーキが入ったの、よかったら・・・・・」 自分の意中の女性を茶会へ誘う しかし、愛しの霊夢は素っ気なく断る 「そんなことより、フランの部屋に通してくれない?」 現実は残酷で、霊夢が選んだ相手は自分ではなく妹だった 博麗霊夢が想いを寄せるのはレミリアではなくフラン 霊夢に聞こえないように小さく舌打ちをしてから従者を呼びつける 「咲夜」 「はい、お嬢様」 物音一つ立てず、どこからともなく咲夜が現れる おそらく時間を止めているのだろう 「霊夢を地下室に」 「かしこまりました」 主人に恭しく頭を下げ、霊夢を地下室へ案内する 地下室の階段を下り、フランの部屋の前に到着する 咲夜が鍵を取り出し、扉の鍵穴にさしこむ 「なぜ、またフランを地下室に閉じ込めたの?少し前は館内を自由に出歩け
紅魔館のメイド長十六夜咲夜は、地下室に幽閉されている主人の妹フランドール・スカーレットに食事を運んでいた 本来この役目は他のメイドが行うはずなのだが、最近は皆が怖がってやりたくないと拒否したため、やむをえず咲夜がやっている 「失礼します・・・・」 そう言って地下室の扉を開ける 「咲夜?」 地下室はいつも通りフランドールがいた 「お食事をお持ちしました、ここに置いておきますね」 「ここってどこ?わからないんだけど?」 咲夜は怪訝な顔をした。食事のトレイはフランドールの目の前に置いてある フランドールはそれに気付かず、周りをキョロキョロ見回す 「妹様の目の前ですが?」 「そうなの?よく『こんな暗いのに』ここまで持って来られたね」 咲夜は不思議に思った (暗い?地下室はいつも通りの明るさのはずだけれど・・・・・) 最初この子は自分をからかっているのかと思った だがフランドールはいたって真面目な顔
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