日本国内の広範囲で金環日食となる21日朝、始業時間を通常から前後にずらす学校が相次いでいる。「天体観測の絶好の機会」と捉えて観察に専念させる狙いもあるが、主な目的は登校時の安全確保。脇見運転などによる交通事故の多発が懸念されており、文部科学省の対応を踏まえて警察庁も、全国の警察本部に万全を期すよう文書で注意喚起した。 今回の日食は、東京では午前6時19分に始まり同9時2分に終了する。最大の見どころである金環日食は同7時34分。全国各地で最大食が見られるのも7時台で通勤・通学時間帯と重なる。 天文の専門家でつくる日本天文協議会などが35都道府県の学校教職員ら142人に問い合わせたところ、52%が自分の学校では始業時間をずらしたり、希望者の早めの登校を認めたりすると回答。通常登校は33%にとどまった。千葉県の私立高校と岐阜県の公立小学校各1校は休校にしたという。