エドガー・ポーの詩「ユーラリューム」Ulalume(壺齋散人訳) 空はどんよりと灰色に染まり 木の葉は縮れて干からび 草の葉は干からびて萎れ そんな十月のさびしい夜 忘れられないあの年の十月に わたしはオーベルの暗い湖畔を歩いた ウェア地方の霧に包まれて そして湿っぽい水辺に下りた ウェアの鬼の出そうな森の中で ここはかつて タイタニックの杉並木を 我が魂とともに歩いたところ 我が魂 プシケとともに歩いたところ その頃の我が心は火山のように荒れ狂っていた まるで溶岩の流れが渦巻き 火山灰が休みなく吹き上げるように 溶岩はヤーネックの山を流れ落ちる 極地の厳しい空気を突き破りながら ヤーネックを流れ落ちながら叫び続ける 北極の険しい大地をつんざきながら わたしたちはしっかりとした足取りで歩いていた だが頭の中はぼんやりとかすんでいて 記憶もあてにならないほど弱っていた なぜならいまが十月であ