ここの「ンゴロンゴロ」とは、マサイ語で「大きな穴」を意味する[1]。その名の通り、ンゴロンゴロ地域にはンゴロンゴロ・オルモティ・エンパカーイと呼ばれる3つの火口が並び、これら活動を停止した火口も含め、9つの火山が分布する。 有名な「ンゴロンゴロクレーター」は、隕石衝突によってできたクレーターではなく、300万年前に出来た火山噴火跡のカルデラを指し、その外輪山の大きさは南北16km、東西19km程である[2]。なお、ンゴロンゴロクレーターの内部には、湖や湿地も存在する。ンゴロンゴロの外輪山の標高は約2400mで、カルデラ内部の平野の標高は約1800m程度である。このようにカルデラのサイズに比して、高低差が存在し、外輪山は非常に急峻である。 このためカルデラ内部から、外部へと歩いて出るためには大変な労力を要するので、このカルデラ内に生息する大型陸上動物のほとんどは、敢えてカルデラから外へ出ず、