来年3月開館予定の「リニア・鉄道館」に搬入される超電導リニアモーターカー「MLX01−1」=9日午後、名古屋市港区 「夢の超高速鉄道」がいよいよ動き出す。国土交通省の交通政策審議会小委員会が15日、リニア中央新幹線整備計画の土台となる中間とりまとめを行い、東京−名古屋を一直線に結ぶ「南アルプスルート」を正式に選定した。JR東海は2014年度にも着工し、27年に東京−名古屋、45年に大阪までの全線開業を目指す。“政治介入”を排除したことで、計画はスムーズにまとまったが、全線開通必要な9兆円を同社がすべてまかなう民間単独の巨大事業だけに課題も山積している。 「民間事業としたおかげで、政治や行政の介入余地を少なくできた」 JR東海関係者は、最大の焦点だったルート選定をこう振り返る。 旧国鉄時代に持ち上がったリニア計画では、3案のルートのうち長野県を迂(う)回(かい)する伊那谷ルートが最有力視され